茶の湯 一楽二萩三唐津について(楽焼茶碗)
- 茶道具
- 2017.11.1
茶の湯の世界では古から、茶人の茶碗の好みの順位、また格付けとして、『一楽二萩三唐津』と言われてきました。
1つ目、楽焼(京都)。2つ目、萩焼(山口県萩市)、3つ目が唐津焼(佐賀県唐津市)です。
楽焼(らくやき)とは
楽焼(らくやき)とは、略して楽茶碗、または単に楽 と言う。
楽家歴代による茶碗、または同系統の軟陶の総称。
天正年間(1573~92)頃、楽家初代・長次郎と利休との出会いにより生まれた、茶を喫すための茶碗。
手捏(つく)ねや箆(へら)削りによる掌に吸い付くように収まる造形、主に用いられる黒・赤二種の釉薬が特徴である。
香合や水指なども焼かれる。
楽茶碗は多くの場合一つずつが手造りであり、釉がけして八、九百度の低い火度で焼き上げられたものである。
本窯・傍系それ以外の素人の手造りなどがある。
本窯と称せられる、楽家の系図
初代 長次郎(ちょうじろう)
二代 常慶(じょうけい)
三代 道入(どうにゅう)(一般に”のんこう”と呼ばれる)
四代 一入(いちにゅう)
五代 宗入(そうにゅう)
六代 左入(さにゅう)
七代 長入(ちょうにゅう)
八代 得入(とくにゅう)
九代 了入(りょうにゅう)
十代 旦入(たんにゅう)
十一代 慶入(けいにゅう)
十二代 弘入(こうにゅう)
十三代 惺入(せいにゅう)
十四代 覚入(かくにゅう)
十五代 吉左衛門(当代)
楽歴代の印判(十五代 吉左衛門の印判)
楽の傍系
宗味焼
二代目長次郎の舅の庄左衛門の作で、作品は黒楽が多く、いたって尋常な作振りで、常慶の作振りに似たところがあり、あるものでは脇取が急角度に作られている。
道楽焼
道入の弟の忠右衛門が造りだしたが、詳しいことはわかっていない。
黒・赤・双方ともあるがのんこうに似て薄作、箆(へら)目などの技巧はわりあいに少なくておとなしい作振りで、丸い感じ。
特色は印銘がのんこうのそれを裏返した逆筆である。
左海焼と箱書されたものもある。
玉水焼
一入の子の弥兵衛が開窯したもので、楽焼の他に交趾風の物もまれに焼いている。
光悦写の得意であったし、朱釉の使い方も一入に似ている。
弥兵衛焼と箱書されたものも少なくない。
大樋焼
寛文六年(1666)に加賀藩に出仕した裏千家四代仙そうに同道した土師長左衛により開窯。
轆轤(ろくろ)を使わない楽焼の技法と、飴釉と称せられる光沢ある黄赤褐色の釉を基調とし、海老や渦文など金沢の風土を表現した独自の作風を示している。
楽焼諸窯
・久楽代々
・本阿弥光悦
・空中斎光甫
・尾形乾山
千紀園スタッフ 2017.11.1
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