茶道の茶碗は汚れやすいもの。清潔に保つための手入れ方法とは?
- 茶道具
- 2018.10.25
茶道を始めたばかりのときは、練習用の茶道具を借りて使うことが多いでしょう。
しかし、しばらく経つと自分用の茶道具一式を購入し、それを使ってお茶を点てることになります。
当然、道具類の管理も自分でやることになりますが、なかでも茶碗は汚れやすいため、十分な手入れが必要です。茶碗の洗い方や乾燥、保管方法について解説します。
実は茶碗の表面は穴だらけ
釉薬がかかっているため、一見滑らかなように見えますが、実は茶碗の表面には微細な穴がたくさん空いています。
水分が触れると磁器のように弾くことをしないので、どんどんと内部に染みこんでしまうのです。
茶碗は中にお茶を入れます。そして、口をつけるわけですから、何も対策せずに使えば唾液や茶などの汚れも染みこむことになるでしょう。
そこで、お点前の前に茶碗に綺麗な水を含ませ、汚れの浸透を防ぐことが必要になってきます。
釉薬のかかっていない高台部分はとくに水を吸いやすいですから、十分に水に漬けておくと良いでしょう。
また、水を含んでいない茶碗は、表面の穴に空気を蓄えています。熱湯を急に注ぐとその空気が膨張し、茶碗が割れる危険もありますので、これを防ぐ意味でも水を含ませることが大切です。
茶碗の洗い方
使い終わった茶碗を洗う時には、たらいなどにぬるま湯を張って、布巾でていねいに汚れを落としましょう。
たわしやスポンジでこすると茶碗の表面を傷つける恐れがあるため、使わないほうが賢明です。
また、表面の穴から入りこんでしまうので、基本的に洗剤を使うことはできません。
女性の方が使って口紅が残ってしまった場合など、汚れがひどいときには稀釈した中性洗剤で洗いますが、その後十分にすすぎを行います。
古い茶碗や、金継ぎがしてある茶碗はとても脆いため、洗う際には強く力を入れすぎないよう注意が必要です。
茶碗の乾燥と保管方法
お皿やマグカップなど、普段使っている磁器の食器であれば、洗った後に表面の水分を綺麗に拭えばそれで乾燥は十分です。
しかし、茶道の茶碗は微細な穴から入った水分が内部にまだ残っているため、最低でも5日間は干さなくてはなりません。
この乾燥を怠ると、残った水分からカビが発生して、茶碗を台無しにしてしまいます。
保管する場合はなるべく通気性を考えて、桐の箱に入れるのが良いでしょう。
箱にしまう際には乾いた布で包み、湿気から茶碗を守ります。
運搬の際にはポリエチレンの緩衝材、通称「プチプチ」で包むことも多いですが、通気性が悪いため、カビが発生するかもしれません。保管の際には布で包み直しておきましょう。
千紀園スタッフ 2018.10.25
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