1年の折り返しには「水無月」とお茶で無病息災を願おう
- 日本茶
- 2022.6.15
2022年も6月を迎えました。
1年の折り返しの日も、もうすぐ。
月日の経つのは早いものですね。
6月には、京都や千紀園のあります滋賀では「水無月」という和菓子が期間限定で売られます。
以前は京都近辺でしかなかなか見かけないお菓子でしたが、近年では関東でも見かけるようになってきたとか。
水無月は、宮中の伝統行事と深いつながりをもつ、京都発祥の和菓子です。
今回は、和菓子「水無月」についてご紹介します。
「水無月」とは
「水無月」とは、白くもっちりとした食感のういろうの上に、甘く煮た小豆をのせ、三角形に切り分けた和菓子。
その涼し気な見た目と、ういろうと小豆の上品な甘さを楽しめます。
夏越の祓(なごしのはらえ)
水無月は、「夏越の祓(なごしのはらえ)」という神事の日に食べる伝統的なお菓子として根付いています。
「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、1年の折返しとなる6月30日に、御所で執り行われていた神事です。
夏越の祓は12月31日の大晦日と並ぶ大祓(おおはらえ)で、半年間に身に積もった罪や穢れを払い清めて、これから迎える半年の無病息災を願う大切な節目の神事でした。
現代でも夏越の祓は各地の神社で執り行われています。
水無月が生まれた由来
平安時代、6月1日は「氷の節句」または「氷の朔日」といわれ、この日になると、御所では「氷室(ひむろ)」の氷を取り寄せ、宮中の貴族たちは氷を食べて暑気を払っていました。
しかし当時の氷は大変貴重なもので、庶民が食べられる物ではありませんでした。
そこで氷の代わりとして、氷の形に似せて三角形に切った麦で作ったお菓子を食べるようになったと言われています。
これがのちに「水無月」となりました。
水無月に込められた意味
水無月は形だけでなく、のせられている小豆にも意味が込められています。
小豆(まめ)は、魔を滅する=「魔滅(まめ)」に通じることから、邪気払いや悪魔祓いの意味合いがあります。
また、小豆の赤い色は、古来より邪気を払ったり災いを避けたりする力があると考えられていたそうです。
小豆は厄払いに大活躍ですね。
水無月は、氷を模した形で暑気を払い、小豆で邪気を払う意味をもつことから、これからの暑い季節を健康に過ごすために欠かせないお菓子です。
これから迎える半年の無病息災を願いながら、食べてくださいね。
水無月にぴったりのお茶は?
上品な甘さの水無月は、緑茶と相性ぴったり。
茶道においては主菓子として出されることもありますので、抹茶はもちろんあいます!
新茶もいかがでしょうか。
昔から、八十八夜に摘み採られたお茶(=新茶)を飲むと1年間無病息災に過ごせると伝えられているように、「初物」「旬のもの」の新茶にはおいしさと栄養がぎゅっと詰まっています。
水無月とおいしいお茶で一息つきながら、今年後半も無病息災でお過ごしください。
千紀園スタッフ 2022.6.15
関連記事
-
1年間の感謝の気持ちを伝える贈り物、お歳暮。ご実家やご親[…]
-
暑い夏の飲み物として不動の人気を誇る麦茶。同じく緑茶も、[…]
-
お正月に食される、伝統的な和菓子「花びら餅」についてご紹[…]
-
歯周病などの病気を防ぎ、口内を健康に保つのに、緑茶の成分[…]