釜鐶(かまかん)
- か行
- 2018.6.1
用語集テンプレ
釜を上げ下ろしするときに用いるものです。
材料は、原則として鉄ですが、他に砂張、素銅、南鐐などでも作られます。
特に真鍮製の鐶は水屋専用とされています。
直径約7.6cm(2寸5分)内外の輪で、その一端が切れていて、そこから釜の鐶付の穴に通るようになっています。
2個で一組で、釣釜には特別大きい大鐶を用います。
●鐶の種類
打ち方により、石目、槌目、空打などの種類があり、形による種類は大別すると次のようなものがあります。
大角豆 ・・・
大角豆(だいかくとう、ささげ)をそのまま丸く大きくしたような形。
竹節 ・・・
竹の節をまねた形。
捻鐶 ・・・
丸または四方の形で、全体または一部分が捻ってある形。
蜻蛉鐶 ・・・
蜻蛉の形に似せてあり、尾の部分を曲げて釜の鐶穴へ通すようになっています。
巴鐶 ・・・
三つ巴の形をしたもの、これの四角もあります。
轡鐶 ・・・
馬の轡(くつわ)の形をまねたもの。または同じ形をしたもの。
割鐶 ・・・
円味をもった一個の鐶を、たてに二つに割って、一対にしたもの。相生鐶ともいいます。
常張鐶 ・・・
掻立鐶(かきたてかん)ともいいます。
油皿の灯心を押さえるものの形をしていて、その摘みの部分を鐶穴に通すので、常張釜とか唐犬釜、九輪釜のように、鐶付の穴が左右に向かって開いている釜に使用します。
これにも円形のものと四方のものがあります。
虫喰 ・・・
鉄でできており、巣の穴があいているもの。
素張 ・・・
鐶の内部を空洞にしたもの。この鐶は金や銀でできているものが多いです。
●好みの鐶
利休好 ・・・ 大角豆、磨糸釣、達磨堂、石目、真鍮蛭口、鉄ささげ
竺叟好 ・・・ 鉄張貫
玄々斎好 ・・・ 鉄破れ七宝象嵌
円能斎好 ・・・ 雪輪象嵌、南鐐割鐶、宝尽象嵌、南鐐捻
淡々斎好 ・・・ 渦象嵌、木賊
千紀園スタッフ 2018.6.1